(2013南三陸)
「真の国富とは」を問う大飯原発運転差止請求事件判決文に心打たれる。
「他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。」
【速報】大飯原発運転差止請求事件判決要旨全文を掲載します / NPJ
(「歴史」に学べば、)
為政者は経済至上主義的な「富国」を掲げて、国民を引き寄せる。
そしてそのために「強兵」が必要と説く。多くの国民は「そうだなぁ」と思ってしまう。
しかし、その後に来た「歴史」は悲惨な戦争であったことを忘れてはならない。
震災の南三陸体験を踏まえて、少しく言い直してみると
「豊かで美しい風土(国土)とそこで人々が生を全うする
そして、そのことを、子々孫々に伝えていけることが
【その先人の知恵と工夫の証が歴史文化遺産】
ほんとうの国民の基本的資産(国富)である」
(日本列島に生きた人々の遺伝子の奥に隠れています)
福島の浜は今─小高区浦尻貝塚から - JIEN記
大震災三年─南三陸・仙台・名取をめぐって─震災考 - 縁果翁記
「入りそめて国ゆたかなるみぎりとや千代とかぎらじせんだいの松」(伊達政宗)
いくつもの「国」に「ゆたかさ」(真の「国富」)への祈りを「仙台の松」に象徴化しています。
「景観」「風土」に「真の」国富を歌で表現した政宗公は見事です。
◎おすすめ仙台市博物館長佐藤憲一さんの『伊達政宗 謎解き散歩』
- 作者: 佐藤憲一
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「歴史」を発掘し、学ぶ
時論公論 「復興まちづくりと歴史遺産」 | 時論公論 | 解説委員室:NHK
(2013南三陸)
◎おすすめ本
内山節・21世紀社会デザインセンター『内山節のローカリズム原論―新しい共同体をデザインする』(農山漁村文化協会 2012.2)
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「原発を支えている構造自体を変えなければいけないと考えているからです。
その変えなければいけない「構造」の軸におかれなければいけないものは、無意識のうちに巨大な管理体系をつくりだしてしまう現代における人間たちの存在構造、それ自体なのです。..一度事故が起きると、人間たちの等身大の思いや願いが通用しない現実をつくりだしてしまう。」
「よき社会」
「「21世紀のよき社会」とは、新しい公共性を担う市民的な知の結集により実現される、人権意識に裏付けられた真に共生的な社会と考えています。
しかしながら、それを実現するための手段や基準には多様な考え方が存在し、それを強制的に統一する事は誤りであり、人々が共感できるコミュニテイが複合して結果的に持続可能な社会が形成されるべきではないでしょうか。」(下記「21世紀社会デザインセンター」HPより)
よき社会
付記
流石の柳田邦男氏の「真の国富とは」
柳田邦男 真の国富今こそ語ろうー中国新聞オピニオン - tainosatoのブログ - Yahoo!ブログ