古代国家形成期の実像を栗原市入の沢遺跡から解明と発信を+高尾山古墳保存・波伝谷に生きる人びと

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(入の沢遺跡の北側は国史跡伊治城跡、南側は大仏古墳群 ※グーグル・アースより)
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(河北新報特論時論15.7.10「栗原・入の沢遺跡 古代大集落 保存・活用を」(文章補足) )
「昨年の12月6日、「予期せぬ大発見」との情報に、栗原市の入の沢遺跡現地説明会に出かけた。小高い丘の上に、約1600年前(古墳時代前期)の大規模な集落が深い堀と高い塀により厳重に防御されていた跡であった。そして竪穴住居跡の多くは火災により焼失、銅鏡や鉄器、装身具など通常の集落では出土することのない貴重な遺物が多数残されていた。四世紀後半、ヤマト政権につらなる北辺の大集落でいったい何が起きていたのか。発掘調査面積はまだ三分の一とのことだが、古代国家形成期のヤマト文化と北方の文化(続縄文文化)との交流や緊張関係を物語るのか、とのこの遺跡からのメッセージに圧倒され、国指定史跡級の遺跡であり、重要な歴史文化遺産と確信するとともに、この遺跡が、国道四号線築館バイパス建設工事により消滅予定と聞き、愕然とした。
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今年6月初めに、考古学研究者の最大組織である日本考古学協会の視察に同行した。宮城県の整理室で見学した巨大な壺などの出土品からは、栗原地域のリーダーの権威を示す当時の一級品の数々が丘の上の集落で厳重に守られている姿が浮かび上がってきた。まさに、北辺の交流拠点である集落でリーダーたちが活躍する姿を如実に示す全国初めての発見という思いに一同は、感動を禁じ得なかった。

宮城県考古学会は古代国家形成期の実像を栗原から解明しうる重要な歴史文化遺産と入の沢遺跡を高く評価し、6月18日付けで国土交通省東北地方整備局長に提出した保存要望書で、「バイパス計画を変更し、入の沢遺跡の遺構の現状保存を図ること」を求めた。要望の理由を「入の沢遺跡の北側に奈良・平安時代の城柵遺跡である伊治城が立地することは、この場所が、古墳時代から一貫して交通の要衝であり、南北文化のクロスロードであったことを示しています。」「古墳時代の政治的リーダーたちの活躍を、日常の生活の場である集落遺跡から解明できるという点において、他に例のない重要な遺跡です。遺構の保存状態もきわめて良好で、防御施設の様子が詳しく判る点でも、その学術的重要性は高いと言えます。」と説明した。宮城県県知事・県教育委員会及び栗原市・市教育委員会には、遺跡の保存ととともに、「入の沢遺跡の国史跡指定を視野に入れ、将来に向けた整備と活用を図ること」を提案した。
想起されるのは、2006年に仙台市都市計画道路予定敷地内で発見された与兵衛沼窯跡の遺構群が国史跡級という評価され、事業者側が橋梁に設計変更して保存と道路建設の両立を実現したことだ。この道路建設事業は2011年に国土交通大臣賞を受賞した。
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          (「文化財せんだいNO101」2011.11仙台市教育委員会文化財課より)
また、国土交通省は、東日本大震災の翌年の2012年に「歴史・文化資産を活かした復興まちづくりに関する基本的考え方」を作成し推進している。このような経緯からすれば、入の沢遺跡を保存・活用して古代国家形成期の実像を栗原から解明、発信していくことは、2008年の岩手・宮城内陸地震など幾多の災害を克服しながら、まちづくりを進める栗原市の活性化に寄与するものと考える。
道路建設と遺跡保存両立の英断を国土交通省に期待したい。」

日本考古学協会による要望書提出など最新の情報に基づく記事は下記をご覧ください。
入の沢遺跡の保存と活用に関する要望書(日本考古学協会)と歴史公園整備への提言 - 縁果翁記
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入の沢遺跡で何が起きたか─栗原市文化会館9.21・22 - 縁果翁記
入の沢遺跡─南北文化のクロスロード─保存要望書(宮城県考古学会)と高尾山古墳 - 縁果翁記


沼津市高尾山古墳保存問題を伝えるテレビ「テレビ朝日モーニングバード」 

高尾山古墳保存_道路建設20150709morning_bird 投稿者 gomizeromirai
第1弾・高尾山古墳を知ろう!静大・篠原教授 | 山下ふみこオフィシャルブログ | 沼津市議会議員 山下ふみこ

高尾山古墳保全と道路の両立を願います 高尾山古墳を壊さないでください
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「高尾山古墳は2007年に 都市計画道路建設の際 発掘調査され大変貴重な古墳であることがわかりました
地元では古くから旧高尾山 穂見神社 熊野神社の塚の下には古墳があると伝えられ 1800年もの間大切に保管されていました
2015年6月高尾山古墳のある静岡県沼津市では 都市計画道路建設工事を進めるために
古墳を削りながら調査し 道路建設を進める予算が市議会で可決されました
このままでは 高尾山古墳はなくなってしまいます
壊してしまえば 二度と残すことが出来ず 沼津の宝 国民の宝が 失われてしまいます
東国最大最古級前方後方墳の高尾山古墳は残せば国民共有の貴重な財産
私達の子孫のためにも高尾山古墳を守りましょう」(150715 下記Hpより)
高尾山古墳 takaosankofun | 古墳保全と道路の両立を願います 高尾山古墳を壊さないでください
山下ふみこオフィシャルブログ | 沼津市議会議員 山下ふみこ


◎おすすめ映画─波伝谷に生きる人びと(我妻監督さんから)
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●わたしの「波伝谷」(南三陸町)
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(2013.5)
わたしの「波伝谷}
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