松島雄島海底採集の板碑─東北学院大学博物館

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仙台市の博物館の中でも考古学・歴史学民俗学の深い展示で知る人ぞ知る博物館
主な収蔵品と調査研究|東北学院大学

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例えば松島雄島の板碑を瑞巌寺との海底共同調査研究で従来の「霊場雄島」のイメージを塗り替えた。
「雄島板碑群の調査研究(宮城県松島町)(鎌倉・南北朝室町時代
板碑とは、板状の石材を加工・整形し、種子、造立年月日、供養の趣旨を記した文章(願文)などを刻んだ、日本中世における石造供養塔の一種である。ここでは、日本三景の一つである松島に所在する雄島の浅海底から、本学ならびに松島町瑞巌寺が共同で採集した板碑を中心に、その調査・研究活動の成果を紹介する。」(下記HPより)
雄島板碑群の調査研究(宮城県松島町)(鎌倉・南北朝・室町時代)|東北学院大学

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ただ板碑の展示は難しい。石に刻まれた貴重な情報がほとんど見えないのだ。
そこで左上のキャプションを見ると
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とても詳しい説明が一個一個につけられているのはとてもいい(もう少し大きく、位置も一定だと見やすい)。
板碑は鎌倉・南北朝時代の供養石塔なので成仏するように深い仏教の教えが刻まれている。
この場合は生前に仏を供養し、葬儀を営んで、現世が安穏で、あの世に言ったら善いところ(極楽)に行くことを願うものだ。
雄島は各地から人々が参って、分骨をし、石塔を立てた、海の高野山のような霊場だったので板碑の破片が約二千点も周辺の海底から採集された。
諸行無常 - Wikipedia

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拓本が小さく載っているが、実物大にして実物と並べるとわかりやすく迫力があるのではないか。
でも、スペースがもうないですね。拡張と宣伝を期待したいところです。
利用案内|東北学院大学
www.smma.jp
常設展パンフレット

蛇足ですが、まもなく完成のホーイ記念館の巨大さに驚きました。
7割完成の「ホーイ記念館」見学

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雄島浅海底調査の様子(2014.8)
地道かつリスクのある野外調査に長年取り組んできた成果です。
d.hatena.ne.jp

※掲載にあたって許可を得ております。
中世の人々の想いを知る –松島雄島のはなし– | つながる湾プロジェクト
d.hatena.ne.jp


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