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「震災復興に文化財の活用を」に寄せて

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                          (貞山運河2012.11.18 )
河北新報の「持論時論」(4月24日)に掲載された髙橋守克さん(前塩竈市文化財保護審議会委員)のご意見に賛同したい。小生の持論も「震災復興まちづくりに歴史文化遺産の活用を」です。
地域の各種の文化財(国宝だけでなく、民俗芸能、遺跡や石塔などなど)を歴史文化遺産と捉えれば、「よく生きる」「共に生きる」上で、現代を生きる我々に大いに役立つ「資産」と考えるからです。
高橋氏の持論の後半で述べられているようにこの構想の実現には文化財担当正職員の配置を前提として地域の人々を中心としたボランティアの育成がないとしっかりとした文化財保全と活用の実現は難しいと考えます。
以下、ご本人から原文をいただいたので掲載したい(写真はすべて小生の写したものです。)。
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                 (こどもたちに歴史遺産を 南三陸町 2016.3.11)
東日本大震災から早5年の歳月が流れた。この間、道半ばと評価されているが、沿岸部を中心に港湾・農地・防潮堤・災害公営住宅等々のハード面を中心にした震災復興が、国・県・市町によって進められてきた。これからは被災者や被災地等に寄り添うソフト面での復興が、求められていることは言をまたない。
 昨今、「ハード面の復興も重要ではあるが、街の活性化につながる施策もぜひ推進してほしい」、「賑わいのある町にしていきたい」という声が、商工・観光産業に携わる人々のみならず巷の市民の間でもよく聞かれる。各地の観光客数が震災前に比べて落ち込んでいることも、大きな要因の一つであると思われる。
国では16年度を東北観光復興元年と位置づけ、仙台圏を「復興観光拠点都市圏」の一つに設定し支援するという。宮城県知事は観光振興による交流人口の拡大などの対策を講ずるとした。仙台市の文化観光局の新設をはじめ、市町村の中にも地域の文化財を観光資源として活用する方向性を示す首長も現れてきた。そこで、この機会に地域の文化財や公開可能な災害遺産などをぜひ貴重な観光資源の一つとして、被災地の復興のために積極的に活用していくことを提言したい。
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 そのためには、文化財に最も身近な存在である市町村の取り組みが何よりも重要である。その一つが、文化財の保護・活用の具体的プランの策定と実施である。既存の国・県・市町村指定の文化財に加えて、新たに価値を認められうる文化財を積極的に指定文化財として登録し、保護と活用を図り、発信していくことである。保護や指定登録等にあたっては、市町村は、謙虚に市民の声や要望に耳を傾けることが重要である。いやしくも市民の要望を聞き流すようなことがあってはならない。市民の要望をふまえ、専門職を置く市町村が積極的に支援していく姿勢こそが望まれる。
 もう一つは、松島町長が提言していたように広域観光構想も重要である。私の住む塩釜地区を例にとれば、国指定文化財である特別名勝「松島」をはじめ、特別史跡多賀城跡」、重要文化財鹽竈神社」、国宝「瑞巌寺」、名勝「奥の細道風景地」などが数多く存在する。未指定ではあるが、県が歴史的土木遺産としてその価値を認める「貞山運河」などを加えて、地区の市町同士、市町と各種機関や民間が連携して、具体的なプランを作成し実行に移していくことである。
 最後に、基礎資料の整備として、地域に所在する文化財の把握も重要である。震災時には存在すら把握されず、人知れず失われた文化財もあったのではないかと懸念された。指定文化財だけが文化財ではない。建造物や土木遺構などの目にすることができるものから、家々に埋もれている文書や絵画、かつて農林漁業・商工業や日々の生活で使用されたかけがえのない民俗資料等に至るまで、洗い出しの調査と登録、そして、それらの保護と公表・公開である。

これらのことを実行していくためには、文化財等の専門職員の存在と力量が発揮できる態勢の構築、市民ボランティアの育成等が不可欠である。市町村によって取り組み等に大きな差があってはならない。市民・県民・国民共有の財産である文化財を活かして、しっかりと震災復興の歩みを進めたいものである。」
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(南三陸町魔王神社より 2015.3.12 )

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縄文人のあしあと | 歴史の標 | 南三陸町 VIRTUAL MUSEUM
南三陸町は、まさに歴史文化遺産の宝庫です。ぜひ、復興まちづくりに活用を。
tentijin8.hatenablog.com


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◎貞山運河再生・復興ビジョン
貞山運河の再生と復興について - 宮城県公式ウェブサイト
tentijin8.hatenablog.com
「歴史文化遺産」の検索結果 - JIEN記
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