月浦十三仏石塔(永禄六年)─安部下野守と「善男善女」

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石巻市月浦(つきのうら)・永禄六年(1563)十三仏石塔(上部)オルソフォト(歪み修正写真)


種子(仏を梵字で表したもの ※古代インドサンスクリットの表記に用いられた文字)で三十三回忌までの仏さまを表しています。
(上から)クルリンの文字は「イ字」(梵文のはじめに置く)
月輪(がちりん)の中に金剛界大日如来(十三回忌)、
虚空蔵菩薩(三十三回忌)、
胎蔵界大日如来(十七回忌)、薬師如来(七七日)、弥勒菩薩(六七日)、不動明王(初七日)
阿閦如来(七回忌)、観音菩薩(百か日)、地蔵菩薩(五七日)、釈迦如来(二七日)
阿弥陀如来(三回忌)、勢至菩薩(一周忌)、普賢菩薩(四七日)、文殊菩薩(三七日)

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全体を下から見上げる(オルソフォト)。
「「塔婆」は「石仏」であることを明記し、地域の有力武士とみられる安?部下野守による造塔の功徳によって、この地域の「善男善女」の「現世安樂」と「同一蓮台」すなわち、極楽往生を祈願している見事な造形の塔である。支倉常長像の近くに現在も立っているので、ぜひご覧いただきたい。」(『南三陸の山城と石塔』2018より)
牡鹿半島の「安部(阿部)」氏は中世の有力な土豪と考えられています。ご子孫でしょうか。私も牡鹿半島を歩いて安部さんのお世話になりました。

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現状


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(月浦 2017年)
支倉常長が遣欧使節として慶長18(1613)年にサン・ファン・バウティスタ号で出航したことで有名な月浦。奥州葛西氏初代清重が鎌倉から着岸(「着きの浦」)したという伝説もある(『宮城県の地名』)。
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(グーグルアース)

東日本大震災津波
www.kahoku.co.jp

東日本大震災による被災地域の斜め写真を公開(国土地理院)
http://www.gsi.go.jp/common/000060885.pdf


↓詳しくは拙著をご覧ください。

南三陸の山城と石塔 (河北選書)

南三陸の山城と石塔 (河北選書)

宮城県考古学会-宮城県の考古学情報


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第482回 震災を経ても土地に生きる―南三陸町波伝谷、12年間の映像記録を通して | 国立民族学博物館 友の会