2014年3月11日 戸倉・五十鈴神社より波伝谷方面を望む(右隅丘の上に被災して今月末閉校の戸倉中)
新井田
発掘が終わった志津川の新井田館跡(右側)を盛り土の間から望む。
発掘風景 (休憩中撮影 町教委掲載許可済)
新井田館跡は発掘によって、600年前(南北朝時代)に築城され、全国的な戦乱の中で、地域のエネルギーを集めて防御をこらした、東北有数の海を抑える山城であることが分かりました。
夏の新井田館跡 休憩時間に志津川湾を望む
ほっ とする海風 あそこから津波が.. ここで生きていく 今
南三陸の方たちはとても一生懸命働きます。特に女性は明るく、「颯爽」としていらっしゃいました。男たちには、運命の重さが感じられました。
秋の新井田館跡 深い堀で防御された室町期の山城発掘の休憩
土地に刻まれた600年前の軍事的緊張を掘り出した人々の談笑 不思議な空間でした。
冬の新井田館跡 美しき惣内山、貞任山の見える広大な空間の中で
怪我しないように怪我しないように
巨大土塁の測量風景 全国から八人の調査員が派遣され、頑張りました。
新井田館跡の山は、削られて、やがて町の「中央区」へ
そこに貴重な発掘の成果と発掘した人々の姿を、ぜひ展示してほしい。
仙台市
この日は、仙台市の沿岸を一年ぶりに訪れました。
朝、一年ぶりの仙台市宮城野区蒲生のお地蔵さんは元氣だったが、
「世界」は哀しみでいっぱい 家々は取り壊されつつ
中野 左、東日本大震災慰霊碑塔 右、お地蔵さんのお堂
中野のお地蔵さんはお花でいっぱい 嬉しくなった
掲示をみると厳しい状況であることが分かった。
朝一番でwさんの「家」に約束の写真を届けに蒲生に...
しかし、一年前の今日の華やかなオブジェも「家」も無くなっていました 残念....
どなたかご消息をご存じでありませんか,,
(2013,3,11蒲生)
若林区荒浜に向かうと、盛り土で海岸が見えない!
荒浜 慰霊の観音像
たくさんの写真と黄色いハンカチ
荒浜 浄土寺慰霊碑
ここも高い盛り土で囲まれてきた
藤塚五柱神社
名取市閖上日和山
神も仏も震災に倒れた人々を追悼する
昨年と比べ、格段の賑わい
再び南三陸町
復興工事 盛り土のようす
南三陸町防災対策庁舎
おあたごさん と呼ばれ親しまれた志津川新井田の愛宕神社の周りが伐採され小さな社がむき出しに..祀っていたおられた多くの方が大津波に流され亡くなったと聞いておりましたが..
登り口には、建立者の名前が多数刻まれた貴重な庚申の石碑が倒れていました。
参道の上段の左右には江戸時代にこの地で苦楽を共にした人々のお墓が累々とありました。
合掌
昔の人は、この急な斜面を登って参拝したのです。
登ると、すでに周囲の伐採が進み工事用道路で寸断されていました。
11日現在、伐採のため立ち入り禁止で参拝はできない状態ですし、危険です。
昨年夏に「おあたごさん」に参拝した時の様子
お愛宕さん
アップしながら 苦しくなってきました 死者の思い 生きるもの忘れるなかれ
キラキラ春つげ丼 南三陸に来てください(さんさん商店街)。
あの日 たくさんの人を救った五十鈴神社から海辺を望む。
・昨年の様子 比較してみてください。
東日本大震災二年─鎮魂の場から - JIEN記
お知らせ
被災ミュージアム再興事業「沿岸部の遺跡展―仙台平野沿岸部の遺跡を訪ねて―」を開催します - くらしのガイド | 仙台市
おすすめ本
震災考 2011.3 - 2014.2(赤坂憲雄)
今、ぜひ、お勧めしたい本
ひたすら「歩く・見る・聞く」ことによって得た「民俗知」から情況を深く探り、一つの明確な指針─草の根の力で未来を創造する─を日本人に提示しています。
「五月の末であったか、
三陸の漁村では、ガレキの山の中から衣装や太鼓を掘り起こし、
鹿躍りが復活していた。」
(行山流水戸辺鹿子躍)
・「はじめに」より
「・・あらゆる責任は曖昧に宙吊りにされ、
いまそれは、ひたすらなかったことにしておく方向へとなし崩しに誘導されているかに見える。
この途方もないモラル・ハザードはおそらく、巨大な傷と裂け目を社会にもたらすにちがいない。
という予感がわたしにはある。
(中略)
いま・ここが厳粛な分岐点となるのかも知れないと思う。
関東大震災(1923年)の後の日本社会の大きな変容や瓦解のプロセスとの比較が、奇妙にリアリティを増している気がする。」
私の不鮮明な予感が赤坂氏により鮮明に解析されている。恐らく、これからは「誘導」は扇情的な「新しい革袋」をまとってやってくるのではないか。
安藤忠雄氏などの言に学ぶ必要がある。
「肝心の国が動かないならば、「我々ひとりひとりが声を挙げなければいけない。しかし、政局の混迷を批判はしても政治に参加しようとはしない。自ら考えて行動する人が少ない。それが日本の最大の問題だ」
安藤忠雄「希望は、自分の心のなかに」 アカデミーヒルズ
【赤坂憲雄氏2013.7.3(後藤正文氏との対談)】
「(被災地は)大手ゼネコンや大企業が復興予算としてつぎ込まれたお金を、そのまま東京に回収していくシステムの中ですべてが動いている」
結論
「再生可能エネルギーをこの福島からいろんな形で進めていこうという想いを一つにして、動き出しました。この八月に正式に旗揚げする会津電力もその一つです。」
会津電力について-会津電力株式会社
「ひとりひとりが五〇年後の未来を思い描きながら
主体的に いま・ここ からできることを始めるという覚悟を決める」
赤坂憲雄 3.11大震災─現在の復旧・復興には30年後50年後の日本の姿が欠落している 日本記者クラブ2013.2.18
東北から“50年後の日本”を描く | 対談:赤坂憲雄×後藤正文 | TheFutureTimes

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【参考データ】
福島コミュティパワー宣言2014.2.2
【書評】『震災考 2011.3-2014.2』赤坂憲雄著 - MSN産経ニュース
(「伝統を引き継ぐ行山流水戸辺鹿子躍」映像記録2014)
赤坂氏により紹介の「この世の生きとし生けるものすべての供養のため」の踊り
NPO法人映像記録のホームページへようこそ
鹿子躍りの碑の詳細は
奉一切有為法躍供養也 - JIEN記
無形民俗文化財が被災するということ―東日本大震災と宮城県沿岸部地域社会の民俗誌
沿岸部では、さまざまな思いをこめて、民俗芸能や年中行事が復活した。
【関連データ】
東日本大震災3年 巨大防潮堤建設 是か非か「紙上討論」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
「ひそかに覚悟を決めた人々の群れが、やがて姿を現す...
東北はいま、はじまりの土地になった。」(赤坂憲雄 2011.4.15 g2)
◎関連するおすすめ本
柄谷行人
「共同体は先祖を含むものだと思います。つまり、(三陸で)原発を斥けたのは、
先祖霊が見守る土地にこんなものはおけない、という考えです。」
赤坂憲雄
「過去に亡くなった人々を背負い、
これから生まれてくる世代に対する責任を抱いて、
いまここに存在している考え方を、柳田はつねに語り続けていましたね。」

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“他人とともに「社会を作る」ことは楽しいことです。”
「社会を変えるには」小熊英二: 書評「ブック・ナビ」

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“里で、浜で、風に吹かれて、「もう一度ここで」と海に向かってつぶやいてみる。”(2013.1)

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(2012.3南三陸町戸倉神社から)
自然・歴史文化遺産を活用した復興まちづくりを望む
被災地に通う生活の終わりに─今後に向けて─
震災発生から三年の今こそ、被災地を歩き、そして赤坂氏の『震災考』を読むことをお勧めします。
あれいらい、復興とその工事の加速を願っていた私ですが、
今、そこには、「あれっー 海が見えない 緑が..」..これでよかったのかなぁという光景が至る所に出現してきました。まず、浜の巨大な盛り土の山に感覚的に心がふさがってくるのです。
やがて、それはコンクリートの海に覆われていくのでしょう。もちろん「緑」は、復興工事の仕上げとしてレイアウトされるのでしょうが、そこに「伝統」を感じるようにはならないだろうと危惧しおります。
そして、そのことは、「こどもたち」が人生を全うできる「日本の伝統的な環境」が急速に失われつつあるということに想い至って愕然としております。
あれいがい、努めて、沿岸部の人々の暮らしを守ってきた神社やお寺と立地する丘や岬を歩きつづけた私には、強く感じる思いです。
過去に亡くなった人々を想い、これから生まれてくる世代に対する責任を思えば
「自然環境」とご先祖たちの知恵や労苦のあかしである歴史文化遺産を残し、利用できるような社会環境は、多様な生活スタイルを持つ人々にとってベースになりうるものと考えます。人と自然の関係は、赤坂氏によれば「住民の住む聚洛─人工林の里山─原生的な奥山」という構造で存続してきたとのことです。「原生的な奥山」の多くは失われてしまいました。
歴史文化遺産は自然環境と別々に捉えられている傾向も見受けられますが、歴史文化遺産は自然と人間の交渉により生まれてくるものです。原発はその最たるものですが、日本列島に暮らす人々、その歴史文化の母体である自然環境をこれ以上痛め続けていく行為は、人類の破滅に導いていくものといえないでしょうか。日本自然保護協会では、防潮堤のさまざまな問題を指摘していますが(関連リンク冒頭)、
「海と共生するための先人の知恵が詰まった地域固有のの伝統文化は、一度失えば永遠に取り戻すことはできない。..
(震災から)残存または回復しつつある自然は、地域の財産の一つであり、地域の歴史や文化の形成に不可欠のため、希少な自然を後世に残すべきです。」と結んでいます。
南三陸の漁師OBの方と何人もお知り合いになりましたが、素朴な言い方ながら海が見えなくなるなど防潮堤への不安をおっしゃっておりました。
晩年に至ったわたしも覚悟を決めて、東北の地から「草の根」として自然と歴史文化遺産を大事にしたまちづくりに向けて仲間たちと歩きだしたいと思います。(2014.3.23)
南三陸町天王前から新井田館跡(中央区予定)を望む(2014.3)
【関連リンク】
ここが問題 巨大防潮堤
周回軌道─防潮堤
津波被災地の絶滅危惧植物の保全を考える会 2014.2
FORTUNE宮城シンポジウムin東京「第二部 震災後2年、これからの支援のあり方を考える」|FORTUNE宮城
セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度 〈週刊朝日〉-朝日新聞出版|dot.(ドット)
東日本大震災- 被災地周辺の文化遺産|立命館大学 歴史都市防災研究所
歴史・文化資産を活かした復興まちづくりの基本的な考え方(国土交通省)
自然環境と災害復旧工事の1000日
1/25東北学院大学主催第4回・フォーラム『仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える」ー「ふるさとの浜辺復興、こうしたい」を分かち合うー』 開催報告 - 東北学院大学災害ボランティアステーション
歴史文化遺産活用構想(兵庫県教育委員会)
赤坂憲雄 震災と文化復興
このままでいいのか 防潮堤計画
原発事故、人類最大の環境汚染 ― 新しい価値観へ転換を 岡田真美子氏 - 論・談:中外日報
仙台湾 海岸エコトーンの復興を考える
さまざまな草の根がリンクする時、大きな力が生まれる予感