仙台城跡二の丸北方武家屋敷第15地点の発掘成果公開

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                    (土人形片 お雛さま?)
江戸時代、250余年前の先人が愛玩したものの かけら

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現地説明会のようす 四つの屋敷地を区画する境溝が段丘崖に落ちていく沢につながる。

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  発掘調査地全景(東から google+ 仙台市青葉区 東北大学川内北キャンパス)
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仙台城跡二の丸北方武家屋敷第15地点発掘調査現地説明会日に見せていただきました(上図説明パネルのC区)。
千貫沢により二の丸と隔てられた北方武家屋敷地区は比較的上級の家臣の屋敷地とされています。今回の調査区は屋敷地にしては、建物が建ってないのですが、池や排水路が発見され、屋敷境の空閑地も生け垣でなかったかと推定されることに調査の成果がありました。そして17世紀から19世紀にかけてのさまざまな遺物が貴重です。
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(遺構配置のパネル ※黄色は明治時代以降)

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サギ?絵の大堀相馬焼き(現福島県浪江町 今回の原発事故避難地域にあたる) 
さまざまな土人形 瓦質の蚊やり等の江戸時代(後半)の屋敷の住人などが使ったもの。
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土人形 西行さん(旅の僧スタイル) 小熊?! 亀

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(東から発掘調査区を見る)左下の溝状の遺構は東側の屋敷との境と考えられている。
また、右下の溝の十字路は四つの屋敷の区画の交点と推定された。
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北側では池の跡が見つかった。南側には南北の塀(掘立柱列)
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池には小石が敷かれていたのかもしれない。


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江戸時代の鉛製の鉄砲玉! 「でん六豆」そっくり
東隣りの区画は、18世紀の絵図に「鉄砲星場」とあり、射撃場と推定され、そこからのものらしい。
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縄文時代と推定された「落とし穴」もある(説明パネル)。
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確かに、縄文土器や石器が出土しているので数千年前の縄文人の活動は明らか。


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17世紀前半の陶磁器はなかなかいいもの
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量的には18~19世紀の陶磁器が多い。

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東西溝を境に段差があり、屋敷境となっている。

江戸時代、屋敷の水は沢に注ぐ


宮城県考古学会-宮城県の考古学情報

↓調査機関の東北大学埋蔵文化財調査室のご協力を得て現地説明会のようすを追加いたします。
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(↑画像クリック拡大・Google+)
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調査の概要
仙台城二の丸の北側に広がる、武家屋敷地区の調査である。城下絵図の記載との照合から、比較的身分の高い家臣の屋敷が置かれた地区と考えられる。
・江戸時代の初頭から幕末に至る時期の、溝・池状遺構・塀跡などの多数の遺構と、陶磁器をはじめとする多数の遺物が発見された。
・今回の調査区は、屋敷の裏手の、4区画の屋敷が接する部分に相当すると考えられ、屋敷の区画に関わる段差・溝・塀などが発見された。
・これまでの周辺での調査成果を合わせて検討することで、2区画分の屋敷の大きさが、ほぼ判明した。文献記録に残る、屋敷地の大きさの基準にほぼ一致する。
・建物が配置される区域、裏手の建物が少ない区域など、屋敷内での土地利用のあり方が、おおむね明らかとなった。
・屋敷地の具体的な大きさや土地利用の実態など、仙台城周辺の武家屋敷の実態を明らかにする上で、重要なデータが得られた。
連絡先:東北大学埋蔵文化財調査室(片平) 」
・調査理由:課外活動施設建設
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こちらの、まりを持つ女性の土人形も雛なのであろうか?


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位置(宮城県考古学会HP・google)
東北大学埋蔵文化財調査室
<既刊発掘調査報告書>
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仙台城跡二の丸北方武家屋敷地区第13地点-宮城県遺跡資料リポジトリ
東北大学埋蔵文化財調査室様 情報の掲載許可をいただきありがとうございます。