東日本大震災の津波で被災した仙台市若林区の荒浜小学校が震災遺構として保存され、津波の脅威や教訓を展示する施設として4月30日日より公開されている。
見学者も多く、震災遺構の活用として被災のようす、地震津波のメカニズム、防災に及ぶ展示公開施設が地元民の協力のもとに実現したことを喜ぶ。
多くの方にぜひ、見学をお勧めしたい。
(Googleアース2011.4.6)
「荒浜小学校校舎の遺構保存整備が完成しました
仙台市では、仙台市震災復興計画に掲げる「震災の記憶を後世に伝える」震災メモリアルプロジェクトの一環として、津波の脅威を後世に伝えることを目的に、旧荒浜小学校の震災遺構保存を進め平成29年3月に整備が完成しました。遺構保存にあたっては、被災した校舎のありのままの姿をご覧いただくために、極力手を加えない保存・活用を基本として整備しました。」(仙台市HPより)
外観の各所に説明がある。
敷地内には津波で流され回収した二宮金次郎像も展示されている。
何よりも小学校の被災状況が凄惨な当時の状況を訴える。
パノラマにするとこのようである。
階段を登ると押し寄せた津波の写真。
二階に上がると 津波の押し寄せた痕跡がある。
大型カラーパネルがその様子を伝える。
こどもたちの「ハッピーあらはま」にほっとする。親子連れが熱心に見ていた。
階上からは現在の荒浜の様子が分かる。
震災前の暮らしを上映している。
三階には防災の展示室もある。
震災前の暮らしが詳細な模型で復元され、多くの市民が感じ入っていた。
沢山の人々の生活があった(黄色い点が荒浜小学校)。
「失われた街」模型復元プロジェクト
「東日本大震災とそれに伴う大津波により、東北・関東地方の太平洋側沿岸部で、多くの街や集落が一瞬にして失われてしまいました。
私たち建築・都市デザインに携わる者としても、あらためて自然の脅威と私たち人間の非力さを思い知らされた次第です。
それでもなお、私たちは将来を担っていく未来の世代へ向けて、建築を信じ、都市と自然の新たな関係を築いていかなければならないと感じました。そのためには私たち自身も、今回の津波で失われたものを認識し、把握しなければなりません。失われた街が湛えていた豊かな日常を想い、街への追悼を行わなければならないと感じました。このプロセスを通して、私たちも、被災地の皆様も、街の再生へ向けて第一歩を踏み出せるのではないかと思いました。
このプロジェクトは、失われた街や村を1/500の縮尺の模型で復元し、地域に育まれてきた街並みや環境、人々の暮らしの中で紡がれてきた記憶を保存・継承していくことを目指しています。復元模型の制作は建築学生によるボランティアを中心として、地域の皆様、その他街の再生を願うすべての皆さんの協力を仰ぎながら進めていきたいと思います。
企画・構想:槻橋修+神戸大学槻橋研究室
協力:東日本大震災における建築家による復興支援〈アーキエイド〉」(下記HPより)
http://losthomes.jp/gallery/arahama/losthomes.jp
とてもいいプロジェクトです。
こちらは、被災の様子と止まった時計と被災映像上映の部屋です。とてもインパクトがあります。
「3.11 荒浜の記憶」の部屋では、津波から避難状況の生々しい映像と証言が上映されている。
津波が押し寄せた時間で止まった体育館の時計
展示は迫力がある。震災遺構の説明も全体に赤主体でややきつすぎる感もある。
屋上にも上がることができて復興の現状と当時の様子に思いをはせる。
管理事務所(左)があり、地元の方の協力で運営されています。
(仙台市パンフレット・表)
概要(仙台市HPによる 担当:まちづくり政策局防災環境都市推進室)
2011年3月11日に発生した東日本大震災において、児童や教職員、地域住民ら320人が避難し、2階まで津波が押し寄せた荒浜小学校。
被災した校舎のありのままの姿と被災直後の写真展示等により、来館者に津波の威力や脅威を実感していただき、防災・減災の意識を高める場とすることを目的に、本校舎を震災遺構として公開しました。
[開館時間] 10時00分から16時00分まで ※入館無料
[休館日] 月曜日および第2・第4木曜日(祝日の場合はその翌日)/祝休日の翌日(土・日曜日、祝日を除く)/年末年始/臨時休館日
[施設概要]<校舎外周/1階2階>
校舎の被害状況や被災直後の様子を伝える写真などから、荒浜小学校を襲った津波の脅威を知ることができます。<4階>
荒浜小学校における、地震発生から避難、津波の襲来、そして救助されるまでの経過を写真や映像(※)で振り返るとともに、災害の備えについて学ぶことができます。また、荒浜地区の歴史や文化、荒浜小学校の思い出などもご紹介しています。
※展示室「3.11荒浜の記憶」において約17分間の映像を上映<屋上>
荒浜地区全体を見渡しながら、被災前後の風景を比較することができます。海や貞山堀(貞山運河)との位置関係や、かさ上げ道路などの工事が進む状況も見ることができます。
(仙台市パンフレット・裏)
グーグルマップ 震災遺構 荒浜小学校
「問い合わせ
館内見学は自由見学が基本ですが、案内が必要な方は事前に下記にご相談ください。
平成29年5月31日(水曜日)まで 仙台市まちづくり政策局防災環境都市推進室
電話 022-214-1117(受付 平日10時00分から17時00分まで)
平成29年6月1日(木曜日)から 震災遺構仙台市立荒浜小学校 管理事務所
電話 022-355-8517(受付 休館日除く10時00分から16時00分まで)
※館内案内のため不在となる時間帯がありますので、予めご了承ください。」(下記仙台市HPより)
公式HP
震災遺構 仙台市立荒浜小学校|仙台市
整備の経過
「【工事概要】耐震壁増設、エレベーター新設、管理人室・トイレ新設」
詳細は下記仙台市HPをご覧ください。
仙台市の遺構保存(検討経過など)|仙台市
参考リンク
www.newskfm.com
仙台市を襲った大津波の証言
世界中から見学者
合掌
d.hatena.ne.jp
※掲載にあたっては隣接している管理事務所の許可を得ております。
(教室の黒板)
「荒浜」の検索結果 - JIEN記
提言「東北太平洋岸震災遺構メモリアル回廊」の実現を望む
今後、被災地各地にこのような震災遺構を保存整備し、展示機能を持った施設ができて、地元住民が主体となって運営し
さらにこれらをネットワークで結んだ機構、例えば「東北太平洋岸震災遺構メモリアル回廊」のようなものができることを、念願する。
なぜなら子々孫々まで東日本大震災など災害の歴史と教訓を伝え、防災の訓練をしていくことが次に備える準備として重要だと考えるからです。
(「中越メモリアル回廊」 国連防災世界会議・仙台2015にて)
c-marugoto.jp
震災遺構の対象となる施設について:宮城県
tentijin8.hatenablog.com
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