大晦日に思う─南三陸・紅白・想像ラジオ

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                         (1312南三陸町新井田館跡にて)
        皆様 今年も拙ブログを見ていただいて有難うございます。

今年は南三陸復興のお手伝いを少しばかりさせていただいたのですが、むしろ地元の皆様に元氣づけていただくことが多く、その逞しさに打たれました。厚く御礼申し上げます。
忙しさに追われて...大晦日を迎えてしまい、思うことがあります(遅かりし思いです)。
今年の日本は、「上り調子」と経済成長が喧伝されていますが、南三陸には、あまり届いてはいないのが地元の人々の実感です。
振り返ってみると、近隣の国々人々から歓迎されない事態が進んでおります。
高調子に浮かれているうちに、気づいたら「日本人として当然のことをしているのに、こんなに批判されるのなら、わが道を行く いざとなれば、戦争して当然だ」という事態にならないとも限りません。いつか来た道です。

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                             (南三陸町波伝谷の朝)
三陸の美しい海と山を見ながら南三陸の人々と汗水たらして働きながら醸成されてきた思いは
子どもたちが、美しい日本の四季を味わいながらこれからの時代を生きていくことができるよう、日本の「聖なる」大地自然を守り、育み、良き伝統と人々の「つながり」を大事にしていくこと、そして、多くの国の人々に、この美しい風土と暮らしている日本人の暮らし様を観ていただき、交流していくことこそが、経済成長のみを最優先することよりも大事なことと思うのです。
二度と原発事故で汚染されることのないように、人類の生み出した「巨毒」によって、生をまっとうすることができなくならないように、自分のために、こどもたちのために、生きとし生けるもののために、できることをやっていきたい。連携して。

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「それがこんなことになっちゃった。高い杉の木に引っかかって」

今年、評判の いとうせいこうさんの『想像ラジオ』読んでいます。
表紙は、淡いカラフルなのだが、このような灰色系になってしまって...

舞台の「川も山も海もある町」って南三陸みたいです。

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あぁ 紅白が始まりましたね
華やかでいいです カモネギですか...

三陸の山の上
ぱかぽかあったかくてみんなでぽっとすわってる
‘あん時 火葬もできなくて 佐沼で火葬したんだ!
‘こっちは 山形で火葬したんだぁ’’
と、これはわたしのもゃっとしかもどきっとする記憶..

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あぁ 紅白はあまちゃんタイムですね これは南三陸でも共感 共感で、時間的に見れない私は肩身の狭い思い こっそり再放送を垣間見ておりました

想像テレビ

あの時 甥っ子にチリ地震津波の時はあそこまでだから
ここには絶対ここに来ないといった
申し訳ないと思っている

これは、実際に南三陸で案内していただいた最近のお話しです。
戸倉在郷の今と慶明丸─南三陸から - 縁果翁記

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紅白は えっー 法華経の世界です

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                        (志津川新井田の山=新井田館跡)
 南三陸の山には、今でもくつきりと津波の痕跡が枯れ木の境として残っています。

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紅白は、ドリカムin陸前高田
jien記 陸前高田

「自分の手足も、揺れて動く長い髪の毛も、破けて体にまとわりつく衣服も、光をひと粒残らず奪われていることから私には見ることができません。....」(『想像ラジオ』)

わたしは、息苦しくなり、小説を読むことを止めてしまった。

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       紅白 三輪明宏さんは、長崎被爆からの蘇りの歌でした。

では、皆様 よいお年をお迎えください。



この小説が成り立つ仕組みは、やはり「中有」だったんた
想像ラジオ
キイチさん
「あなたは、土地の...氏神のようになって...きているように思う」

「山河草木、ふく風たつ浪の音までも、念仏ならずということなし」

やはりそうでした

想像ラジオ
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20131120-OYT8T00401.htm
津波の被災者にとってとてもつらい小説だと思います。南三陸では、「津波でこどもが木に引っかかっていてみんなでおろした」という話を聞きました。
被災地以外の多くの方に「死者の思い」をこのような形で想像していただくことは、この時期に至ってはよいことだと思います。DJアークの紹介するさまざまな曲を聴けるDVD創ったら、いとうせいこうさんの思いはさらに遂げられたのかなぁとも思ったりします。