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古代蝦夷の実像を求めて・復興キュレーション・願いと揺らぎ -震災から一年後の波伝谷に生きる人びと

f:id:tentijin8:20170202180917j:plain東北学院大学の熊谷公男先生(古代史)が、今年度末をもってをご退職されます。
先生の東北古代史研究のエッセンスである公開講演会「古代蝦夷の実像を求めて」が開催されます。
ぜひ聴きにいらしてください。
公開講演会「古代蝦夷の実像を求めて」東北学院大学

熊谷公男先生
「は じ め に
古代の東北地方から北海道にかけて、中央政府蝦夷(エミシ)と名づけた人々が住んでいた。その蝦夷がどのような人々であったのかをめぐっては、江戸時代以来の長い研究史がある。そのなかでもっとも重要な問題として議論されてきたのが、蝦夷アイヌなのか、それともそうでないのかという問題である。当初優勢だったのは蝦夷アイヌ説である。のちに蝦夷辺民説(非アイヌ説)が登場し、しだいに優勢となる。このような流れのなかで、近年、両説の止揚、あるいは統合をかかげて新しい蝦夷論を展開したのが工藤雅樹氏である。筆者は、これまで工藤氏の視角を基本的に継承する立場から蝦夷論に関説してきた。
一方、藤沢敦氏は、二〇世紀後半以降の人類学・社会学などの民族論をふまえ、これまでの蝦夷論に根本的な批判を加えている。工藤氏や筆者も含めて、これまでの蝦夷論が民族論の研究動向にはあまり関心を払わないできただけに、重要な問題提起であるといえよう。そこで小稿では、工藤氏と藤沢氏の蝦夷論の検討を中心に行い、
近年の民族論もふまえながら新たな蝦夷論を模索してみたい。」
「さらにこれらと並んで重要なことは、大化改新後に国家によって推進された城柵の設置と柵戸の移配による蝦夷支配は、境界領域に倭人蝦夷の雑居という新たな状況を生み出し、蝦夷倭人の相互関係を大きく変化させることになったことである。境界領域に雑居することになった土着の蝦夷と新来の倭人は、国家の政策によって否応なしに、しだいに「我々」と「彼ら」というエスニックな帰属意識を抱くようになっていったと考えられるのである。
民族形成においては、藤沢氏が強調するように、究極的には主観的同類意識がもっとも重要であると考える。ただしそれと同時に、古代蝦夷のようにその論証が困難な場合には、同類意識の検証という姿勢を保持しながら、それと密接に関連する客観的指標からのアプローチを積極的に行うべきであるというのが、現在の筆者の立場である」
(「古代蝦夷論の再構築 」(東北学院大学論集. 歴史と文化,(50),1-20 (2013))より)
さて、最新の研究成果はいかに。

蝦夷と城柵の時代 (東北の古代史)

蝦夷と城柵の時代 (東北の古代史)

大王から天皇へ 日本の歴史03 (講談社学術文庫)

大王から天皇へ 日本の歴史03 (講談社学術文庫)

東北学院大学学術情報リポジトリ 熊谷公男


加藤幸治先生(民俗学)の『 復興キュレーション
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復興キュレーション - 語りのオーナーシップで作り伝える?くじらまち? (キオクのヒキダシ2)
復興キュレーション
「震災前と今を結び直す空間づくり。 町に生きる声が響き合う企画展の取り組みと、次への提言。 大震災後、コミュニティの「絆」や「記憶」の継承が盛んに論じられてきました。しかし、震災経験の違いだけでなく、人生経験の多様さをもった牡鹿半島というフィールドにあって、着目すべきは個人が紡ぎだす物語です。そのとき重要なのは、コミュニティよりも「ライフ」。つまり、ひとり一人の人生の営みや、生活の実感に対する真摯なまなざしです。 フィールドワークで、わたしが最も大切にしたいことは感受性です。相手の人生やくらしの営み、なりわいへの誇りなどの語りのうちにひそむ、人々が大切にしたいものへ深い共感を抱くこと、そしてそれをおもんばかることで見出す問いこそが、「復興キュレーション」の軸をなすものです。 」(Amazon紹介記事より)
shahyo.sakura.ne.jp
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(2011.6鮎川)
「本書の副題は「語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち”」としています。
(中略)「語りのオーナーシップ」とは、正確には「語りのローカルーオーナーシップ」と表記すべきですが、要するに地域の人々が「思い出を語れること」の価値を人々自身が認識することです。「所有」と訳されることも多いこの言葉を、わたしはあえて「当事者意識」と読み替えました。津波の被災地では、次の災害へのリスク軽減から設定される安全なエリアに移住するか、地域外に出て生活再建を行うかを選択しなければなりません。住居が残った地区においても、社会的にも経済的も大きく変化せざるを得ない地域の復興過程において、さまざまな選択を迫られます。ポスト文化財レスキュー期は、地域に残るにせよ、転出するにせよ、人々の地域に対する特別な思いが動揺する過程です。「語りのオーナーシップ」と寄り添う研究者の役割としては、専門分野の知見に基づいて一方的に地域のくらしの特色を説明するのではなく、地域の人々のローカルな価値に対してより情報を充実させたり、意味づけを行ったりするような役割があります。」 (本書より)
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(2011.6鮎川)
「くらしの営みが、ひとつのまとまりを持った集落やコミュニティによって継承されるという理解は、日本社会に根深く浸透しています。東日本大震災における報道等で繰り返し賞賛された、東北地方の素朴で親密なコミュニティ像は、民間伝承や民俗芸能を守り伝え、強固な結束によって、ガマン強く営まれてきたというイメージに根ざしています。しかし、これまでの研究におても、またわたしたちの聞書きにおいても、この地域の社会の営みはそのイメージとはかなり違ったもののようです。牡鹿半島の人々のくらしは、閉鎖的で保守的なものでは決してなく、むしろその真逆の性格を色濃く持っているのであり、ダイナミズムこそ地域の活力となってきたものです。」(本書より)
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加藤幸治先生
ドンキホーテとハムレット
tentijin8.hatenablog.com
希望のしるし-学生たちの文化財レスキュー - 政府インターネットテレビ

紀伊半島の民俗誌―技術と道具の物質文化論

紀伊半島の民俗誌―技術と道具の物質文化論

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そして東北学院大学民俗学専攻出身の
我妻和樹監督
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「防災ボランティア 灯りの会」よりお知らせです。昨年上映会を行いましたドキュメンタリー映画「波伝谷に生きる人びと」。
今年はその続編となる「願いと揺らぎ -震災から一年後の波伝谷に生きる人びと-」のチャリティ上映会を行います。
・「願いと揺らぎ -震災から一年後の波伝谷に生きる人びと-」チャリティ上映会
 監督・撮影・編集:我妻和樹 ※本上映会限定の特別版になります。
 日時:2017年3月9日(木)18:00~21:00(受付は17:30~)
 会場:としまセンタースクエア
   (豊島区庁舎1階/豊島区南池袋2-45-1)
 主催:防災ボランティア 灯りの会
 共催:豊島区
 後援:豊島区民社会福祉協議会/東京サンシャインライオンズクラブ/
    東京中小企業家同好会豊島支部
 協力:大正大学/西巣鴨中学校地域サポートクラブ/
    エコたわしで復興を応援する会/豊島区北大塚 青伸会
 映画公式フェイスブック https://www.facebook.com/hadenyaniikiruhitobito

上映会は事前申し込み制で、一般1000円(当日支払)高校生以下無料です。
お問い合わせはメール akarinokaitokyo@yahoo.co.jp または豊島区防災危機管理課へTEL 03-4566-2572 までご連絡下さい。
収益は全て南三陸町へ寄附させて頂きます。
我妻和樹監督による舞台挨拶などもあります。多くの方のご来場をお待ちしています。」(下記HPより)
blog.goo.ne.jp
tentijin8.hatenablog.com

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イベント情報 イベントのご案内 – 是川縄文館


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